お世話になった方との最後のお別れをする為のお葬式。服装やカバン、お香典の相場や受付でのあいさつ、お焼香の何回など、失礼のないマナーとは?

TBS「この差って何ですか?」で、冠婚葬祭マナーアドバイザーの木野島光美さんと、浄土宗光琳寺 副住職の井上広法さんがお葬式の常識を解説。その内容を紹介しています。

お葬式の服装仕事で着ている黒いスーツでも大丈夫?

急な訃報を聞き、葬儀に仕事で着ている黒いスーツでお葬式に出席された方もいらっしゃるかと思いますが、実はビジネススーツでの出席はふさわしくないとの事。

ビジネスで着ているスーツの後ろには切込みがあります。この切り込みは理由があり、西洋の昔の貴族は剣を持って武装していました。その時、着やすいと言うことで背中の後ろに切れ込みがありました。

葬式は武装していくものではありません。静かに故人をしのぶところなので、切込みの無い喪服を着て葬儀には出席されるのがいいそうです。

黒い革製品のカバンはOK?

革製品は牛などの動物を使ったものです。殺生の意味合いがあるのでふさわしくないと言われています。

出来れは布でつくられたカバンがいいのですが、用意出来ない場合は、皮ではない合皮製品のカバンを使うのが良いそうです。

二連の真珠のネックレスはOK?

そもそも、アクセサリーは派手なので葬儀につけていくのはふさわしくありません。ですが、真珠は涙に見えるという事から、世界的に女性は真珠を身に付けるようになったそうです。

ですが、二連になった真珠のネックレスは、不幸が重なるということを連想させてしまうのでふさわしくないそうです。一連の真珠のネックレスを身に付けましょう。

お香典の表書きはどう書けばいいのか?

お葬式には色んな宗派があります。「御香典」はどの宗派でも大丈夫なので表書きにはお香典と書くのがふさわしいと言われています。

また、亡くなってから四十九日に旅をすると言われており仏にはなっていません。霊の状態です。ですので四十九日までは「御霊前」でもかまいません。

四十九日以降の法要には「御仏前」を使います。※ただし、宗派によっては使えない場合があります。

お香典に新札はふさわしくない

新札をお香典に入れると、前もって予測して準備していたように思われます。ですので、新札は避けて使われているシワのあるお札を使うのが良いとされています。

さらに、お札の入れ方にもマナーがあり、一万円札なら福沢諭吉の顔の方を下向きにして裏側を表にしていれるのがふさわしいそうです。これは、親しい方がなくなり心が下を向き顔が伏せるということを表しているそうです。

お香典の相場

地域によって異なりますが、一般的な御香典の相場は

  • 近所の人や友人は3千円~5千円
  • 上司や先生の場合1万円
  • 親族やお世話になった方には3千円~5千円

基本的に、縁が切れないように奇数の金額を包むのがふさわしいそうです。

葬儀で受付などで「ご冥福をお祈りします」はふさわしくない

「ご冥福をお祈りします」の冥は暗黒のイメージ。仏教の宗派は、暗黒の死後ではなくて、極楽浄土の死後の世界をあらわしている宗派が多いので「お悔やみを申し上げます」と言うのがふさわしいそうです。

「お悔やみを申し上げます」は、故人の悲しみ遺族の方々と同じように感じています。という共感を意味しているので仏教に関係なく色んな宗教で使えるそうです。

数珠はどちら側の手で持つ

数珠は左手で持ちます。数珠は、お経やお念仏の回数を数える玉。明確な理由は分からないが、お坊さんの教本でも合掌以外の時は左手でするようにと教えられているそうです。

お焼香をする時に遺族に一礼するのはふさわしくない

最初は故人に向けて弔意を表すことが大切。まずは、故人に手を合わせて、その後に遺族の代表に一礼するのがふさわしい。

お焼香は何回するのか

実はお焼香の回数に決まりはないとのことです。心を込めて手を合わす事が大切とのことでした。