風邪薬の選び方は重要です。風邪薬だからといって気楽に選ばないようにしましょう。初期の段階や症状が発症した時では薬の選び方が違います。

薬の選び方、飲み方、飲む量を間違えると副作用などを引き起こし命に関わるケースもあります。

ご紹介する内容はフジテレビ『バイキング』に出演された東京薬科大学 薬学部教授 加藤哲太先生が解説していた内容をまとめてご紹介します。

1.自宅にある薬は飲まない

風邪の症状は毎回ちがいます。また、自宅にある薬は使用期限が切れている場合があります。その都度、症状に合った風邪薬を選ぶのが大切。

風邪クスリの種類は、200種類以上もあるそうです。その中から症状にあった薬を選びましょう。

2.風邪の引き始めに飲む風邪薬

風邪の引き始めと症状が出てからでは選ぶ薬が違います。実は風邪薬には、風邪の原因であるウイルスを殺す成分は入っていません。ですので、風邪の引きはじめは自分の体がウイルスと勝つために戦える自然治癒力を高める漢方の葛根湯がおすすめ。

しかし!注意する点があります。体の虚弱な人、体力の衰えている人、体の弱い人は服用しないこと。葛根湯は、自分の体でウイルスと闘うために服用するので、結果として体を消耗してしまうそうです。

その原因となるのが、葛根湯に入っている『麻黄』と言う成分。麻黄には交感神経を興奮させる強い働きがあるのでエネルギーを使い過ぎてしまうことがあるので体の弱い人は避けた方が良いそうです。

3.風邪の症状がでたら飲む薬

風邪の症状には個人差がありますが、主に、鼻水、くしゃみ、のどの痛み、発熱などがあります。そういった症状を抑える対処療法として風邪クスリを選んで飲みましょう。

しかし、その際には薬剤師に相談して購入しましょう。自己判断で自分で選んで薬を購入してしまったとき風邪ではない病気の場合もあります。

そこで、加藤先生が薬剤師に伝えてほしい3つの質問をご紹介します。

1いつから症状がでているのか
2もっとも辛い症状は何か
3今の体調を詳しく伝える

この3点を薬剤師に伝え、自分の症状に合った薬を服用しましょう。

4.子供には大人用の風邪薬を飲ませない

子供が風邪を引いたとき、大人用の薬を飲ませるのはやめましょう。風邪薬の中には、子供には重篤な副作用を表す成分が含まれています。 中でもアスピリンは15歳以下の子供には脳の病気を引き起こす可能性があります。

15歳以下のお子さんには、副作用の少ない『アセトアミノフェン』と言う成分が入った薬を飲ませるようにしましょう。

5.正しい風邪薬の飲み方

風邪薬には薬の効果が良く発揮できるように、食前、食間などの飲み方が記載されています。薬の正しい服用方法を覚えておきましょう。

食前:食事の30分前 
お薬を飲むときに胃の中に何も入っていない状態で薬を飲むことで良く発揮します。胃の中で食べ物と混ざらないことが重要。ですので食事は30分は空けた後にしてください。 また、糖尿病などのクスリでは食事直前に飲む薬もありますが、その場合は ”食事直前” と記載されています。

食間:食事と食事の間2時間空ける。
食事と食事の間。前の食事からおよそ2時間空ける。食事の影響を受けやすい医薬品に記載されます。

食後:食事の後30分以内

食後に飲む薬は、食べ物と胃の中で混ざることが好ましいので食事の後すぐに飲むのが良い。

6.危険な風邪クスリの飲み方

チェック1:水が無い時水なしでクスリを飲むのは危険
水なしで飲むと、カプセルなどの薬がのどに貼りついてしまいコーティングがとれてしまい、粘膜がただれるなど炎症などが起きてしまいます。

チェック2:栄養ドリンクと風邪薬を一緒に飲む場合は注意が必要
薬と栄養ドリンク共にカフェインと言う成分が含まれている場合は、眠れなくなり風邪の治りが遅くなるのでカフェインが入った栄養ドリンクは一緒に飲まないようにしましょう。
さらに、カフェインは脳神経を過剰に刺激するので、頭痛やめまいなど引き起こす場合もある。ですので紅茶やコーヒーなどもカフェインが入っているので一緒には飲まないで30分空けてから飲みましょう。

チェック3:牛乳と一緒に飲まない
牛乳を毎日飲んでいるからと言って牛乳を飲んで直ぐに風邪薬を飲むのは危険。 特に1日1回服用の薬の中には、胃で溶けないで腸で溶けるように工夫うされている薬もあり、牛乳を飲むことで胃で溶けないはずのクスリが胃で溶けてしまう恐れがあります。

チェック4:薬を飲んでいるときアルコールは摂取しない!
アルコールと薬にふくまれる成分が脳の機能を抑制して、脳機能が低下して意識を失う恐れがあります。二日酔いの時も同じことが言えるので風邪薬は飲まない。

いかがでしたか。クスリを飲む際には、薬が胃の中に届いて腸で吸収されるので、どのような状態で吸収されると効果が高いのか考えて飲むことが大切になります。

それには薬局で専門家の薬剤師に相談して正しい知識を得ることも正しい薬選びには必要です。分からないことや不安な点は遠慮なく薬剤師に相談しましょう!